新元号をむかえて…
「最近は戦争がないよね」。妻と結婚した頃、義祖父が話したこの言葉には衝撃を受けました。
日清戦争(1894年~1895年)、日露戦争(1904年~1905年)、第一次世界大戦(1914年~1918年)、シベリア出兵(1918年~1922年)、満州事変(1931年~1932年)、日中戦争(1937年~1945年)、第二次世界大戦・太平洋戦争(1941年~1945年)。
確かに明治生まれの人にとっては、10年に1度は戦争が起こったことになります。
いまでも世界中では毎日のように内戦やテロが勃発していますが、私たち日本人にとっての戦後は第二次世界大戦で、それ以降は平和な日々を過ごしています。
私もそのひとりですが、戦争から13年後に生まれた身にとっては、みんなが一つの方向に向かい一生懸命に働いていた気がします。がむしゃらだったけれど、近所の人たちも親切でほっこりする場所がありました。
新元号をむかえて平成という時代はIT化が進み情報量が爆発的に増加しました。情報をさがす作業はインターネットで、コミュニケーションはSNS。いまではスマホがなければ不安に駆られて、何も手につかないという人も多いはず。
ある事務機器メーカーの営業の方から、「最近の若い人はスマホやタブレットでタッチ操作しかしないので、キーボードが苦手ない人がいるみたいですよ」という話を聞きました。
先日、「夕食にカレーが食べたい」という妻の希望で、大町市にあるネパール料理の店に行きました。その店は市街地から少し離れた、人気のないアーケード商店街にありました。
スナックの看板が目立ち、店の前では子供たちが机を並べて宿題したり、サッカーボールを蹴ったり…。
「昭和の雰囲気。ノスタルジック」と思わず目を合わせました。
店内は閑散としているのではと思いきやいっぱいで、若い女性や日本語を話す外国人家族など熱気に包まれていました。「ちょっと待ってね」と店主は小上りテーブルに座っていたカップルのスペースを詰めさせ、その隣に私たちを招きました。
テーブル正面には黙々とスープをすするひとりカレーの女性。
こんなに人が近い食事は久しぶり。ダルバートという料理はやたらにしょっぱかったですが、それ以上に店の雰囲気はインパクトがありました。
時代が変っても「人間くささを大切にしたい」。新元号でも突き進みます。
↑懐かしさを感じる大町名店街