木造なのに外観はRC打ち放し⁈ リアリティーを追求する
松本市の国道19号線沿いにあるビクトリアンクラフトは、英国アンティーク家具と雑貨のお店。ダイニングテーブルやチェアをはじめ、照明器具、食器、ステーショナリー、ファブリックなど、所狭しと並んでいます。
使古したキズや色落ちなどがあるのですが、どこか愛着が湧いてきます。
以前、施主様の希望で、この店で玄関ドアを購入しました。ロンドンの通りで使っていたアパートドアで、かなりの年期もの。ドアに貼られているナンバープレートやレトロなステンドグラスを見ていると、ロンドンの街並みの雰囲気を思い浮ばせます。
扉はホワイト、ブルー、グレーなど、住人が塗装を何度も塗り直した痕跡があり、歴史を感じます。お店ではサイズ直しや再塗装して、お気に入りの玄関ドアにリペアしてくれるので、施主様は扉を真っ赤に化粧直ししました。
一見派手に見えますが、取付けてみるとお洒落で道行く人の目を引きます。家の顔、これひとつで住み手の個性が窺われます。
ビクトリアンクラフトでは店内撮影がOK。気になるインテリアを撮ると、どのカットを見ても絵になります。アンティーク家具をひとつ置くだけで部屋の表情が変わる。勉強になります。
現在弊社では、白馬村で集合住宅をはじめ、貸ホテル、3連棟の貸別荘や簡易宿泊所などを建設中です。その中で施主様から外観をRC(鉄筋コンクリート造)打ち放しにしたいという要望がありました。
建物が木造二階建てだったので、当初は外壁に打ち放し風のサイディングを考えていましたが、デザインパターンが決まり、板状に貼り上げるので、できばえはリアリティーに欠けます。型枠に生コンを流し込んだ自然な仕上がり。
そこで思い出したのが、タイル屋社長のご自宅。RC打ち放しのように外壁にモルタルで型枠や型枠補強ピーコンの穴の痕をつくり、表面は本物そっくりに。通り沿いにある建物は、車を停めて「これRCじゃないの?」と見学に訪れる人もいるそうです。
今回、白馬の物件ではこの施工方法で挑戦しました。白馬村のみそらの別荘地に建っているので、ご興味のある方はぜひお探しください。
↑建設中の木造打ち放しの家