地球に寄りそうサスティナブル住宅

スクラップ&ビルドをくり返す現代住宅はもう卒業。バレナは次世代に引き継ぐ本物の家造りを提案します。

意思表示をしなければ、前に進めない

子供の頃、東京の西を流れる多摩川は、私たちの格好の遊び場でした。スルメを餌にザリガニ釣りを楽しんだり、土手の堤を勢いよく自転車で滑り降りたり、ひろってきた子犬と走り回ったり‥‥。ボーッと考えごとをするときは、いつの間にかそこにいました。

 

それがある時期から遠のきました。川に生活排水が流れ出し、水面はヘドロの黒いかたまり。足を入れる気にならないほどで、水辺の遊びがなくなりました。川辺には汚水処理場が建設され、風が強い日には洗浄する白い泡が雪のように舞い、近くの民家の壁に貼り付きました。

 

街では車の排気ガスによる大気汚染。陽射しが強い日には、目がチカチカしたり、頭が痛くなったりして、光化学スモッグ警報が発令されました。健康や生活環境に係わる公害が社会的な大問題になりました。

 

そんな小学校高学年の時、自転車を飛ばして自宅近くのショッピングセンターに向かいました。そこにはニュースキャスターが東京都知事候補の応援演説をしていました。話の内容についてはほとんど記憶にはありません。でも、「10年後には多摩川を魚が帰ってくるきれいな川に戻します」という公約は鮮明に覚えています。

 

「川がきれいになる」。その言葉を純粋に信じ、いつか自然が戻ってくることを心待ちにしました。選挙権もないのにその候補者を応援したくなりました。

 

大人になって選挙権を持った今、政治家の言うことが全て実現できるとは考えていません。それでも公約を掲げる限り、矛先を変えないで真剣に取組んで欲しい。多摩川は10年では復活しませんでしたけれども、30数年経って再び都民の憩いの場になっています。

 

明後日は、東京都知事選挙の投票日。東京都民ではありませんが、政党やまわりの思惑に流されずに、使命感を持って都民に接する方がいいな、と思います。

 

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↑自然を大切にしたい。国定アルプスあづみの公園の堀金・穂高地区。

 最近オープンした里山文化ゾーン