ムスメの父親のキモチ
「お父さん、彼が『ご両親にご挨拶したいって』言っているんだけど」。
娘の彼氏の希望で私たち夫婦は、東京のある居酒屋でその彼と初対面しました。結婚を前提に付き合いたいという報告でしたが、娘が選んだ人だから特別にああだこうだと、言うことはありません。
妻は自分の家族や親戚のこと彼の仕事や家族のことなど、マシンガン・トークで2時間ほど聞き続け、娘と彼はその間にハイボールを5杯開けました。私は車の運転で酒が飲めないので、時々相槌、時々世間話で時間をやり過していました。
よく考えてみると、今まで娘が好きになる人がどういうタイプなのか考えたことがありませんでした。息子ならなんとなく、彼の仕草や接し方など雰囲気でわかるのですが…。実際、彼氏の何処に惚れているのか検討がつきません。
26年前、私は某ホテルのすし屋で妻の両親と初めて会いました。妻とは何となく付き合っている風でしたが、優柔不断な私はいつの間にか、外堀から攻められていました。話すこともあまりなく、「好きなものを食べなさい」という、妻の父親に言われるままに、黙々とトロやイクラやウニを頬張っていました。
後に聞いた話ですが義父の印象は、「よく食べる人だ」ということと「服装がなぁ」ということを話していたそうです。自由業だった私は、チノパンに開襟シャツ姿。当時大学教授だった義父は、スーツにネクタイ。TPOをわきまえていなかったことが、今になって悔やまれます。
そういえば今回、娘の彼はジーパンに洗いざらしのシャツ。で、私も似たようなラフな格好。居酒屋だったから、まぁ、いいか。
↑Where is this?