外国人にも大人気のゲストハウス
今から35年前、大学4年生の夏にヨーロッパへ放浪の旅に出かけました。卒業論文「都市のコミュニティスペース」の研究のためでしたが、やっていることはただの貧乏旅行。バックパッキングで、図面片手に街中を歩きまわりました。
交通手段は鉄道やバスで、ヨーロッパをほぼ網羅しているユーレイルパスを利用。宿は行当たりばったりで、その日に決めていました。ロンドンではB&B(ベッド・アンド・ブレックファースト)、フランクフルトではYH(ユースホステル)、イタリアのサンジミアーノでは教会というように、旅費を節約するために泊まりました。
なかでも印象に残っているのは、オランダの首都アムステルダムの簡易宿泊所。「マリファナ」、「ハッシシ」と声をかけてくるダム広場で、売人と間違えられて一晩拘留されたという日本人の医学生に教えてもらいました。
2、3階の客室は体育館のような雰囲気。だだっ広いコンクリートの床には、鉄パイプの2段ベッドが雑然と並んでいました。部屋は男女共有で、上段には異国の若い女性が寝ていました。ふと上を見上げると、パイプに吊下げた下着などの洗濯物。ゆらゆら揺れて刺激的でした。
1階には共同のシャワールームがあり、朝の時間帯は大賑わい。ブースは10台ほどありましたが、次から次へとやってくるので、ほとんどの人は扉を開けたまま。全裸泡だらけてシャワーを浴びでいました。その大胆な光景は今でも目に焼きついています。
安宿では、いろんな国の人たちと出会いました。意気投合して飲みに行ったり、興味のある建物を一緒に観に行ったり…。観光よりもそういう人たちとの思い出のほうが記憶に残っています。
日本でも時代の移り変わりで、YH、民宿、ペンションなどかたちを変えて安宿ブームがありました。最近ではゲストハウスが人気上昇中。格安で泊まれて、相部屋なので交流が生まれたりします。そのため外国人にも好評です。
弊社ではそんなゲストハウスを白馬村に建設中です。オーナーは、オーストラリア人のG様。30坪ほどのこぢんまりとした建物ですが、部屋はロフト付きで、共有スペースにはランドリーやお洒落なシャワ-ブースがあり、リビングにはガス暖炉を設置いたします。11月竣工予定ですが、私たちも今から待ち遠しいです。
↑お披露目は11月予定
↑多雪地域・白馬なので筋違いを増やして耐震性を強化