地球に寄りそうサスティナブル住宅

スクラップ&ビルドをくり返す現代住宅はもう卒業。バレナは次世代に引き継ぐ本物の家造りを提案します。

戦後生まれの日本の家

「日本の街は住宅が途切れない」。ある外国人旅行者が、新幹線の車窓からの眺めたときの感想。特に東京の過密さには驚かされます。高層ビルから見る夜景は、その明りのすべてに人が住んでいることに不思議な感じがします。 戦後の焼け野原から国の住宅政策が…

コンクリートパネルの家は手ごわい

ハウスメーカーがコンクリートパネルで組み立てる家は、「火に強い」、「地震に強い」、「風雨に強い」…など、頑丈で長持ち。安心かがあります。 建築コストはかかりますが、その分耐久性があり長い目で見ればお得なのかもしれません。最近縁あって、築20…

リフォーム工事で‥‥、意外な発見!

私事ですが、3週間前から自宅のリフォーム工事をしています。メインは外壁塗装工事。今年で築21年目をむかえる我が家では、自宅についてはほとんどノータッチ。恥ずかしながら「紺屋の白袴」で、初めて屋根と外壁を塗りました。 外壁は杉の羽目板材で、板…

時代はめぐりめぐって……

「ゆとりでしょ? そう言うあなたは バブルでしょ?」 第30回サラリーマン川柳で、1位を獲得したこの句は、いまの若者とその親世代をよくあらわしています。 バブル時代(1986-1991)は、とにかくみんなが浮かれていました。高給取りでない若者も高級ブラ…

「バレナスタイル」

職業柄、新築住宅のチラシを見ますが、時々疲れてしまいます。 それはいかに自社の商品(家)が優れているかを連呼しているからで、読み手の立場から考えると、どんな建物がいいのかわからなくなってしまうからです。 最近のチラシの傾向をみると3つのパタ…

安曇野でお伴をさがす

安曇野は春間近。用水路からは雪解け水が飛沫をあげながら勢いよく流れる。桜の季節はもう少し先ですが、ひんやりとした空気が気持いい。 朝の目覚めは、喉を潰したようなキジの鳴き声。すると愛犬が背伸びをして、起きろとばかり顔をペロペロなめまわす。お…

家造りは一体感が大切

受験生を持つ親は、2月末から3月のこの時期はいちばん大切なとき。息子や娘たちが希望の学校に合格できるか、ハラハラドキドキします。風邪にならないように体調に気をつけたり、神社で合格祈願のお守りを頂いたり、まるでわが子に乗り移った気持になりま…

大好きな彼と末永くお幸せに

「じゃぁ、勝手にすれば」。「勝手にする」。 ニューヨーク・セントラルパーク前で、私の腕の中からガイドブックを奪い取った娘は、すたすたと反対方向に歩き出した。 こちらはそのまま真っ直ぐ進む。100mほど歩いたとき、クールダウンして振り返えって…

まいけるさんからのLINE

朝8時7分、まいけるさんからLINEで一枚の写真が送られてきました。コメントはなしで。「ここの景色はスゴイですよ。天気のいい日は、必ずバルコニーから一枚撮ります」。 まいけるさんとは、白馬村の現場で木工事の造作をしている大工さんのハンドルネーム…

その時代を生きてきた証

朝起きると寝ぼけ眼の妻がいきなり「辞めなければいいのにね」、と言い出した。何のことかわからずにいると、最終回の「SMAP×SMAP」を見て急に思ったという。特別にファンでもなかったのに……。 1999年12月31日、信州生活5年目をむかえた私たち…

オプションという名の誘惑

「一生に一度だから行こうよ」。妻のそのひと言で、来年1月に結婚式を挙げる娘の衣裳合わせに立ち会いました。衣裳店は都内のとあるビルの3階。こぢんまりした店内にカラフルなウェディングドレスが、ショーケースいっぱいに並んでいます。 結婚式はいま流…

あたりまえを考える

住宅設備機器は日々進化しています。 たとえば、ドアチャイム。25年前の家では、ボタンを押すと「ピンポ~ン」と鳴るタイプが主流でした。それが、いつの間にか会話ができるインターホンに変わり、その後、コストダウンしたテレビドアホンが標準装備になりま…

インターネットは情報のドブ川?

24年前、電子ネットワークサービスの普及促進を活動目的とした「電子ネットワーク協議会」という団体が発足しました。多くの会員は大企業で、神奈川県や千葉県などの地方自治体が協賛で参加。一時期その団体の会報誌の編集に携わっていました。 会報誌では、…

未来に息づく、まちづくりを

おとぎ話『三匹のこぶた』のオオカミは、わらの家と木の家を吹き飛ばしましたが、レンガの家はビクともしませんでした。子供心に「レンガの家なら丈夫で安心」と、ずっとそう思っていました。 8月23日に発生したイタリア中部地震では、その常識を覆されま…

意思表示をしなければ、前に進めない

子供の頃、東京の西を流れる多摩川は、私たちの格好の遊び場でした。スルメを餌にザリガニ釣りを楽しんだり、土手の堤を勢いよく自転車で滑り降りたり、ひろってきた子犬と走り回ったり‥‥。ボーッと考えごとをするときは、いつの間にかそこにいました。 それ…

「倒れない家」から「壊れない家」へ

最近、弊社を訪れる建築関係者から、熊本地震についての話を伺う機会が増えています。 ある建材メーカーの担当者は、「地震の揺れで柱と梁を接合する仕口が外れ、建物が倒壊したという現場が数多く見られた」という話をされました。強い揺れ対して対応策が求…

できないと断られた木造のゲストハウス

「申し訳ないですが、こちらの家は弊社ではできません」。といってお断りされたのは、木造住宅のプレカットを依頼している会社の営業担当者。仕方がないのでもう一社お願いしてみると、10日後に同じ答えが返ってきた。責任が持てないという理由だ。 依頼主は…

体感型ショールームがグランドオープン

住宅を建てるとき、「窓・開口部」から考える人は少ない。「窓枠はホワイトで格子付」、「丸窓っていいよね」などの話は出ますが、大体は見た目重視で、外観の一部としてしか認識されていません。主役になるのはお洒落なインテリアや高価なキッチンなどばか…

心地いい陽の明るさで目覚める

「最近、目覚める瞬間に感じるんだけど」。朝食をとっていた妻が話しかけてきた。何だろう、想像つかない。「鼻がムズムズし出すの」。花粉症の妻は夜、安眠するために薬を飲む。朝に近づくと薬が切れてくるのだそうだ。鼻が痒くて目が覚めるって……。 私の目…

5日間で完成した4㎡の小空間

「トイレの改装をするだけで、いろんな業者の方が入るんですね]と話すのは、弊社が工事を依頼された建材メーカーの社員。わずか4㎡ほどの空間でしたが、限られた工期で完成させるのは大変でした。 工事内容は、壁で仕切られている洗面室とトイレをひとつに…

桜の季節を感じながら和やかなひととき

何気ない日常生活でのちょっとした出来事は、けっこう刺激的だったりします。私たち家族にとって3月のイベントは、娘の彼とご両親との食事会。諸事情あって延び延びになっていましたが、4月に入籍することが決まりこの時期になりました。 心配性の妻は何事…

ファンタジスタと呼ばれたい

イタリアの広場が好きだ。シンボリックな教会や市庁舎を中心に、レストランやブティックなど、洒落た店が取り囲む。「チャオ(こんにちは)」、「コメ スタイ(元気)?」。地元の人たちの何気ない会話。そばでは小さな子供たちが夢中で、サッカーボールを追…

建築家の人となりを感じてしまう家とは

小学校4年生の少年は、学校が終わると一目散で新築中の住宅に向かった。「ドン、ドン、ドン、ガン、ガン、ガン」。建設現場特有の音が鳴り響く。丸太足場から2階へ上ると、大工さんがカンナで木材を削っている。「シュッ、シュッ、シュー」。ほのかに木の…

消費増税とインバウンドで住宅着工の見通しを読む

東京のグランドプリンスホテル新高輪で、平成28年新春経済講演会が開催されました。主催はナイスパートナー会連合会・ナイス株式会社。ナイスは住宅建築用資材の国内流通・輸入販売事業などを展開している企業。私たちにとっては、取引している建材屋さん…

我慢する家からの卒業

今から23年前、東京からIターンした私たちファミリーが借りたのは、松本市内にある平屋の一戸建て。築20年くらいで、断熱が入っていなくて隙間だらけ。 真冬に寝床に入ると、顔を出しているだけで鼻の頭が冷たく、足のつま先はいくら経ってもかじかんだまま…

太陽の恵みを全身で感じる、そんな家に住みたい

朝起きるのが辛くなっていませんか? ぬくぬくと布団に包まっていると、そこから脱出するのに勇気が要ります。特に家の中が寒いと、つい、ダラダラ。 先週の日曜日、いつもより少しだけ、朝寝坊してから愛犬と散歩に出かけました。時刻は午前8時、外気は氷…

美しき安曇野の残像

最近、米国出身のアレックス・カーさんが出演するTV番組を見ました。彼は東洋文化研究家であり著述家。留学中に日本中を旅し、徳山県祖谷の自然に感銘を受け、300年前の古民家を購入して、少しずつ修復しながら住居にしました。現在は篪庵(ちいいおり)とし…

自邸で実験住宅を5回建てた建築家の話

住宅は3回建てないと納得する家にならないといいますが、自邸を5回建てた建築家がいます。彼の名前は藤井厚二(1888年-1938年)。竹中工務店で初の帝大卒・建築家として7年間勤め、退職後は自邸を実験住宅として建てながら、その研究成果を「日本の住宅…

狭さを感じさせない千利休の茶室

私が所属しているエコハウス研究会とは、古民家から先人の知恵を学び、それを現代の最新技術と融合させながら家造りを考えていこうという団体です。住宅の歴史を学んだり、科学的な資料に基づいてデータを読み込んだり、参加しているとつくづく建築って奥が…

思い立ったら日光へ弾丸トラベリング

仕事で日常のルーティーンが続くと、心のビタミン欠乏症になることがあります。頭の中がモヤモヤして新鮮味が感じられません。そんな時、私にとってカンフル剤になるのが建築見学。気分転換になり、リフレッシュできます。 初秋に日光のイタリア大使館別荘を…