地球に寄りそうサスティナブル住宅

スクラップ&ビルドをくり返す現代住宅はもう卒業。バレナは次世代に引き継ぐ本物の家造りを提案します。

家造りは日々進化、快適さを目指して…

「住宅の断熱性能と明るさ感に関する研究」という講演論文を読みました。これは首都大学東京都と旭化成建材の方々によるアンケート調査に基づいた印象評価実験です。

 

対象者の居住する窓の断熱性能レベルを、Ⅰシングルガラス・アルミまたは鋼製枠、Ⅱペアガラス・アルミサッシ枠、ⅢLOW-E断熱ペアガラス・アルミ樹脂複合または樹脂枠の3つに区分し、住まいの温熱環境満足度や明るさの、行動・習慣・生活意識を調査しています。

 

実験概要は茨城県にある高断熱住宅で、対象者が空間構成の違いで明るさや印象にどのような影響を与えるかを把握するというものでした。

 

その方法は、南面で吹抜けを有する居間で「吹抜けを塞いだ状態」、「2階の窓ブラインドを塞いだ状態」、「1階の窓を小さくした状態」、「通常の状態」の4パターンでの評価です。

 

実験時には、一階の掃き出し窓を建築基準法に準じた大きさでなおかつ規格サイズにしたり、吹抜けを塞ぐ素材は壁面と色味の差が少ないものを使用したりして、現実に即するようにし、できるだけ印象評価への影響が少ないよう配慮しています。

 

詳しい内容については省略しますが、実験住宅と居住住戸から断熱性能が高いほど吹抜け採用率が高く、区分Ⅲは区分Ⅰの2倍の採用率であること、区分Ⅲでは吹抜けがあっても上下階や部屋間の温度差が少なく、快適な環境を作り出すという結果が出ています。

 

また、昼間照明を付けない状態での明るさの満足度については、断熱性能が高い窓ほど高いという結果が出て、断熱性能と明るさには相関係あるという結論に至っています。

 

寒冷・信州では、吹抜けのある家は2階に熱が逃げて寒くなるからNGと言われ、北海道では少し前まで熱ロスを避けて居室の窓は小さくするのが一般的でした。

 

隙間風と結露で健康を害していた家は、住宅性能が向上し日々進化しています。来年もより快適で住まい手に寄り添う家造りを目指していきます。

 

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