地球に寄りそうサスティナブル住宅

スクラップ&ビルドをくり返す現代住宅はもう卒業。バレナは次世代に引き継ぐ本物の家造りを提案します。

戦後生まれの日本の家

「日本の街は住宅が途切れない」。ある外国人旅行者が、新幹線の車窓からの眺めたときの感想。特に東京の過密さには驚かされます。高層ビルから見る夜景は、その明りのすべてに人が住んでいることに不思議な感じがします。

 

戦後の焼け野原から国の住宅政策がスタートします。昭和25年の住宅金融公庫設立から、融資基準で50㎡以下の小さな家に光が当てられます。それはその後「ウサギ小屋」と呼ばれる日本の住宅に影響をあたえているのかもしれません。

 

東京・竹橋にある東京国立近代美術館では、「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」を開催しています。戦後の「日本の家」を広く理解してもらうために、2016年秋からローマ、ロンドンを巡り、この度、東京で10月29日まで行われています。昨日、訪ねてみました。

 

館内には日本の建築家56組・75件の住宅が400点を超える模型や図面、写真、映像などで紹介されています。建築家はこの世界では有名人ばかりで、作品も過去に雑誌やTVなどで取り上げられたものばかり。

 

建築を志した学生時代から、「これが住宅?」、「こんな素材でも家ができるんだ」など、驚きと疑問のお馴染みの作品が、時代の経過とともに展示され、興味深く見学しました。

 

建築家が何を考え、時代をどう捉えていたのか。ファッションでいえば、奇抜なオートクチュールのようなものかもしれませんが、そこにはクライアントの思いを記号化して独自のカタチを表現しています。

 

最近は経済効率を最優先して、使用している建材や設備機器がどこも変わり映えしない。住宅の性能は日々進歩していますが、画一化されて特徴がなくなっているのも事実です。

 

東京の街を俯瞰していると、北アフリカにある迷路のようなメディナに見えたりして、エネルギッシュを感じますが、時々悲しい気持にもなります。

 

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↑館内には清家清設計の「齋藤教授の家(1952年)」の原寸大模型が展示

 

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↑建築家・菊竹清訓氏の自邸スカイハウスの模型