その時代を生きてきた証
朝起きると寝ぼけ眼の妻がいきなり「辞めなければいいのにね」、と言い出した。何のことかわからずにいると、最終回の「SMAP×SMAP」を見て急に思ったという。特別にファンでもなかったのに……。
1999年12月31日、信州生活5年目をむかえた私たち家族は、東京に車で帰省していました。渋谷周辺で渋滞を過ぎると視界がひろがり、カーブになり、前を走っている自転車軍団を追い抜きました。
フッとその軍団を見ると、白いジャンパーを着たスマップの面々。窓越しから見慣れた顔を間近に見て、一瞬戸惑いました。私たちが何故その場所を走っていたのか記憶にありませんが、キムタクの厚化粧したドーランの顔は、今でも頭の中に残っています。
5時間にも及ぶ「SMAP×SMAP」放映の中、1999年にプロモーションゲリラで、大晦日に原宿を自転車で疾走するという企画がありました。妻はそれを観て当時を思い出したといいます。映像をよく観るとは紺のステーションワゴンが映っています。「あれ家の車じゃない」という妻の話を聞いて、私も17年前のことが蘇ってきました。
2003年の春は娘の小学校卒業で中学校への入学。この時にみんなが口ずさんだのが「世界に一つだけの花」。当初、この歌を知りませんでしたが、ことあるごとに曲が流れるうちに、いつの間にか大ヒットしていました。
誰にでも人生の歴史の中で、時代を共有している出来事があります。「スマップが日本にいるだけで安心感があるじゃない」と妻がいうように、それは、自分が生きてきた証を感じるからだと思います。
家造りもその一つで、生涯の一大イベント。試行錯誤しながら完成させる家は、家族との思い出になり、拠りどころになります。
今年も多くの方の新築やリフォームに携らせていただきました。その過程は私たちにとっても貴重で、楽しい時間でした。来年はより質の高い家造りを目指していきます。
今年も最後の一日になりましたが、みなさまどうぞ、よい年をお迎えください。
↑桂離宮「竹の穂垣」